出現回数の読み方:期待値・標準偏差・Z-scoreとは
ロト6で「よく出る数字」と「あまり出ない数字」の差は、ランダムでも自然に生じる範囲に収まっているのか。理論期待値、標準偏差、Z-scoreを使って出現回数の表を読む方法を説明します。
ロト6の出現回数を並べると、一番多い数字と一番少ない数字では数十回の差があります。この差は「偏り」なのでしょうか。それとも、完全にランダムな抽せんでも自然に生じる範囲なのでしょうか。LotoScope の出現回数ページに並ぶ「理論期待値」「標準偏差」「Z-score」は、この問いに答えるための道具です。
理論期待値:ランダムなら何回出るはずか
ロト6は 43 個の数字から 6 個が選ばれるので、ある特定の数字が 1 回の抽せんで本数字に含まれる確率は 6 / 43 ≒ 13.95% です。抽せんが N 回あれば、各数字の出現回数の期待値は次のようになります。
期待値 = N × 6 / 43
たとえば 2,000 回の抽せんなら、どの数字も約 279 回出るのが「期待値」です。ロト7なら 7 / 37 ≒ 18.92% なので、700 回の抽せんで約 132 回です。
期待値はあくまで平均的な値で、「ぴったりこの回数出る」という意味ではありません。実際の出現回数は期待値のまわりにばらつきます。問題は、そのばらつきがどのくらいの大きさなら自然なのか、です。
標準偏差:自然なばらつきの大きさ
各回の抽せんで「その数字が出るか出ないか」は、確率 p = 6 / 43 の試行です。これを N 回繰り返したときの出現回数は二項分布に従い、その標準偏差は次の式で求められます。
標準偏差 = √( N × p × (1 − p) )
N = 2,000、p = 6 / 43 なら、標準偏差は約 15.5 回です。つまり、完全にランダムでも、各数字の出現回数は期待値 279 回から ±15 回程度は普通にずれます。
二項分布は N が大きければ正規分布で近似できるので、次の目安が使えます。
- 期待値 ±1 標準偏差の範囲に、約 68% の数字が入る
- 期待値 ±2 標準偏差の範囲に、約 95% の数字が入る
- 期待値 ±3 標準偏差の範囲に、約 99.7% の数字が入る
43 個の数字があれば、±2 標準偏差を超える数字が 2 個くらいあるのは「ごく普通」です。1 個か 2 個の数字が目立って多く(あるいは少なく)出ていても、それだけでは偏りの証拠になりません。
Z-score:期待値からの距離を標準偏差で測る
Z-score は、実際の出現回数が期待値から標準偏差いくつ分ずれているかを表します。
Z-score = (実測回数 − 期待値) ÷ 標準偏差
Z-score が +2.0 なら「期待値より標準偏差 2 つ分多い」、−1.0 なら「標準偏差 1 つ分少ない」という意味です。回数の差そのものではなく標準偏差で割っているので、抽せん回数が違う期間同士や、ロト6とロト7の間でも比較できます。
LotoScope の出現回数ページでは、各数字の Z-score と、|Z| ≤ 2 に収まる数字の個数を表示しています。ランダムなら 43 個のうち約 41 個がこの範囲に入り、2 個程度がはみ出すのはランダムでも期待されることです。
期間を変えると見え方が変わる
出現回数ページでは、全期間から直近 20 回までの期間を切り替えられます。期間を短くすると、期待値も標準偏差も小さくなり、Z-score は大きく振れやすくなります。
直近 20 回なら、各数字の期待値は 20 × 6 / 43 ≒ 2.8 回、標準偏差は約 1.5 回です。この条件では、ある数字が 6 回出ただけで Z-score は +2 を超えます。短い期間で「最近よく出ている数字」が目立つのは、期待値が小さいぶん相対的なずれが大きく見えるからで、特別なことが起きているわけではありません。
偏りかどうかを全体で確かめる
個々の数字ではなく「43 個の数字全体の出現回数は、ランダムとして妥当か」を確かめるには、カイ二乗検定を使います。各数字の (実測 − 期待値)² ÷ 期待値 を合計した統計量が、自由度 42 のカイ二乗分布のどのあたりにあるかを見る方法です。
LotoScope のランダム性の検証では、この検定を含めて実測と理論のずれが偶然の範囲に収まっているかを確認できます。
まとめ
- 期待値は「ランダムなら平均して何回出るか」、標準偏差は「そこからどのくらいずれるのが普通か」
- Z-score は、ずれを標準偏差の単位で表したもの。±2 を超える数字が数個あるのはランダムでも普通
- 期間を短くすると Z-score は振れやすくなる
出現回数の表は「どの数字が出やすいか」を示すものではなく、「過去の結果がランダムからどれだけ離れて見えるか」を測るためのものです。この読み方を知っておくと、見かけの偏りに振り回されずにデータを眺められます。