「最近よく出ている数字」は続くのか:HOT/COLDの読み方
直近の出現回数が多い数字をHOT、少ない数字をCOLDと呼びます。短い期間で差が大きく見える理由、「勢い」が存在しない理由、HOT/COLDの表示が何を意味するのかを、期待値と標準偏差で整理します。
LotoScope の統計ダッシュボードには、指定した期間で出現回数が多い数字(HOT)と少ない数字(COLD)が並んでいます。「長く出ていない数字はそろそろ出る」の裏返しとして、「最近よく出ている数字は勢いがある」という考え方も見かけます。こちらも確率の面から整理します。
短い期間では差が大きく見える
直近 20 回のロト6では、各数字の出現回数の期待値は 20 × 6 / 43 ≒ 2.8 回、標準偏差は約 1.5 回です。この条件で 43 個の数字を並べると、0 回の数字と 6 回の数字が同時に存在するのは普通のことです。
同じ「差」を全期間(2,000 回超)で見ると、期待値約 279 回に対して標準偏差は約 15.5 回。相対的なばらつきは 5.6% で、直近 20 回の 55% とは 10 倍違います。
HOT と COLD の差が目立つのは、期間が短いときほど相対的なばらつきが大きいからで、その期間に何か特別なことが起きているわけではありません。
「勢い」は存在しない
「最近よく出ている数字は、何らかの理由で出やすい状態にある」という考え方は、ホットハンドと呼ばれます。スポーツでは議論のある概念ですが、ロトの抽せんには当てはまりません。
抽せん機は毎回 43 個の球を同じ条件で扱います。前回出た球が今回も出やすくなる物理的な仕組みはなく、各回は独立しています。直近 20 回で 6 回出た数字が次回に出る確率は 6 / 43 で、0 回だった数字と同じです。
HOT は入れ替わる
もし「勢い」が存在するなら、ある期間の HOT は次の期間でも HOT であり続けるはずです。実際にダッシュボードで期間を切り替えてみると、直近 20 回の HOT と直近 50 回の HOT は大きく入れ替わり、全期間の上位とはほとんど一致しません。
これは、短い期間の HOT が「たまたま多く出た数字」であり、次の期間でも同じことが起きる理由がないためです。
では、HOT/COLD は何のためにあるのか
HOT/COLD の表示は、「この期間ではこの数字が多く(少なく)出た」という事実を示すためのものです。それ以上でもそれ以下でもありません。
LotoScope がこの表示を置いているのは、見かけの偏りを隠すのではなく、「見かけの偏りがランダムでも普通に生じる」ことを、期間を切り替えながら自分の目で確かめてもらうためです。直近 20 回の HOT を見たあとで、全期間の Z-score を見ると、その数字が長期的には平凡な位置にあることがわかります。
まとめ
- 短い期間ほど相対的なばらつきが大きく、HOT と COLD の差は目立つ
- 抽せんは独立しており、「勢い」は存在しない。HOT は期間を変えると入れ替わる
- HOT/COLD は「その期間に何が起きたか」の記録であって、次回の手がかりではない