「長く出ていない数字はそろそろ出る」は正しいのか

未出現回数が長い数字は次に出やすいのか。ギャンブラーの誤謬と抽せんの独立性、そして出現間隔のデータが実際に何を示しているのかを整理します。

ロトの話題で最もよく見かける考え方のひとつが、「この数字はもう 30 回も出ていないから、そろそろ出るはずだ」というものです。直感的にはもっともらしく聞こえますが、確率の観点からは成り立ちません。このコラムでは、なぜ成り立たないのか、そして出現間隔のデータは何を見るためのものなのかを整理します。

抽せんは毎回「独立」している

ロト6の抽せん機は、毎回 43 個の球をすべて使って 6 個を選びます。前回どの球が出たかは、今回の球の動きに何の影響も与えません。これを確率の言葉で「各回の抽せんは独立である」といいます。

独立であるということは、ある数字が本数字に含まれる確率は、その数字が前回出たかどうか、過去 30 回出ていないかどうかに関係なく、毎回 6 / 43(約 13.95%)で一定だということです。

「そろそろ出る」という感覚は、過去の結果が未来に影響するという前提に立っていますが、抽せんの仕組みにその前提を支える要素はありません。

ギャンブラーの誤謬

この直感には名前がついています。ギャンブラーの誤謬(gambler's fallacy)です。コインを投げて 5 回連続で表が出たとき、「次は裏が出やすい」と感じてしまう心理を指します。

実際には、公正なコインなら 6 回目に裏が出る確率も 50% のままです。「長い目で見れば表と裏は半々になるはず」という事実は正しいのですが、それは「これからの試行回数が十分に多ければ、過去の偏りは相対的に薄まっていく」という意味であって、「過去の偏りを打ち消すように次の結果が調整される」という意味ではありません。

ロトの数字も同じです。ある数字が 30 回出ていなくても、次回に出る確率は 13.95% で変わりません。逆に、3 回連続で出た数字が次回も出る確率も 13.95% です。

では、出現間隔のデータは何のためにあるのか

LotoScope の出現間隔ページには、各数字の「現在の未出現回数」「平均間隔」「最長の未出現期間」が並んでいます。これらは次回を予想するためではなく、「ランダムな抽せんでは未出現期間がどのくらいの長さになるのか」を観察するためのものです。

確率 p = 6 / 43 の事象が起きるまでの待ち回数は幾何分布に従い、平均は 1 / p ≒ 7.2 回です。つまり、ある数字は平均して 7 回に 1 回くらい出ます。

一方で、幾何分布は裾が長い分布です。30 回連続で出ない確率は (1 − 6/43)^30 ≒ 1.1% で、一見小さく見えます。しかし 43 個の数字があり、何千回もの抽せんがあれば、どこかの数字がどこかの時点で 30 回以上出ないことは、むしろ起きて当然です。実際、ロト6の全期間を見ると、最長の未出現期間が 50 回を超える数字も珍しくありません。

出現間隔のデータは、こうした「ランダムでも長い空白は普通に起きる」という事実を、自分の目で確かめるためのものです。

「出ていない数字」を選んでも損はしない

誤解のないように付け加えると、長く出ていない数字を選ぶことが不利なわけでもありません。どの数字も次回に出る確率は同じなので、「そろそろ出そうな数字」を選んでも「最近よく出ている数字」を選んでも、当せん確率はまったく変わりません。

変わるのは確率ではなく、「その選び方をした理由」の妥当性だけです。好きな数字や誕生日で選ぶのと同じように、「長く出ていないから」という理由で選ぶのも自由です。ただ、それが確率を上げる方法ではないことは知っておく価値があります。

まとめ

  • 抽せんは毎回独立しており、過去に出ていない数字が次回に出やすくなることはない
  • 「そろそろ出る」という直感はギャンブラーの誤謬と呼ばれる
  • 出現間隔のデータは予想のためではなく、ランダムでも長い空白が普通に起きることを観察するためのもの

未出現期間が長い数字を眺めるのは面白いものです。LotoScope では、それを「予想」ではなく「観測」として楽しんでもらえればと考えています。

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