「1・2・3・4・5・6」は他の組み合わせより当たりにくいのか
1から6を並べただけの組み合わせは不利なのか。1口の当せん確率、合計値の分布上の位置、過去2,143回との一致数を分けて見ると、「珍しい」と「当たりにくい」が別の話だと分かります。
「1・2・3・4・5・6なんて買う人はいない。あんな並びが出るわけがない」という話は、ロトに限らず数字くじの定番です。LotoScope の番号チェックにこの組み合わせを入れると、どう見えるのでしょうか。確率、分布上の位置、過去データとの照合の3つに分けて見ていきます。
1口の当せん確率は、どの組み合わせでも同じ
ロト6は 1〜43 から 6 個を選びます。組み合わせの総数は C(43, 6) = 6,096,454 通りで、抽せん機はそのどれか 1 つを等しい確率で選びます。「1・2・3・4・5・6」が 1 等になる確率は 1 / 6,096,454。「5・13・22・29・36・41」のような、いかにもランダムに見える組み合わせも、まったく同じ 1 / 6,096,454 です。
ここに例外はありません。並びがきれいに見えるかどうかは人間の側の感覚で、抽せん機の球には何の意味もありません。
では、何が「珍しい」のか
それでも「1・2・3・4・5・6」に違和感があるのは、合計値の感覚があるからです。6 個の合計は 21 で、これは取りうる最小の値です。合計が 21 になる組み合わせは 609 万通りの中にただ 1 つしかありません。一方、合計が 130 前後になる組み合わせは何十万通りもあります。
つまり「合計が 21 前後の抽せん結果が出る」ことは本当に珍しい。しかしそれは、合計 21 になる組み合わせが1 つしかないからであって、その 1 つの組み合わせが他より選ばれにくいからではありません。
「このくらいの合計になる確率」と「この組み合わせそのものが出る確率」は、別の量です。前者は組み合わせの個数に比例して変わり、後者は常に 1 / 6,096,454 で一定です。番号チェックの「合計値」の欄は前者を、「どの組み合わせも当せん確率は同じです」という注意書きは後者を指しています。
過去 2,143 回では
2026 年 10 月 5 日の第 2143 回までの全抽せんと「1・2・3・4・5・6」を照合すると、本数字の一致数は次のとおりでした(理論期待は、6 個のうち何個が一致するかの超幾何分布から求めた回数です)。
| 本数字の一致 | 該当回数 | 理論期待 |
|---|---|---|
| 6 個(完全一致) | 0 回 | 0.0004 回 |
| 5 個 | 0 回 | 0.08 回 |
| 4 個 | 4 回 | 3.5 回 |
| 3 個 | 59 回 | 54.6 回 |
| 2 個 | 361 回 | 348.2 回 |
| 1 個 | 921 回 | 919.4 回 |
| 0 個 | 798 回 | 817.2 回 |
どの行も理論期待のそばに収まっています。4 個一致した回は第 414 回(1 2 4 5 9 25)や第 1480 回(2 4 5 6 24 34)など 4 回ありました。「1・2・3・4・5・6」は、過去データの上でも、ごく普通の組み合わせとして振る舞っています。
ロト7の「1・2・3・4・5・6・7」でも同じで、第 697 回までに 5 個一致が 1 回(第 504 回・2023 年 1 月 6 日の 1 3 4 5 6 29 31)、理論期待は 0.6 回でした。
実際に出た、いちばん合計の小さい回
ロト6で過去に出た最小の合計値は 45 で、第 301 回の 4 5 6 9 10 11 です。合計が 60 以下だった回は 2,143 回中 9 回あり、理論期待は 10.1 回ですから、これも想定どおりの頻度です。ロト7の最小は第 669 回の 3 5 6 7 9 13 16(合計 59)でした。
合計 21 の回はまだ一度もありませんが、それは「合計 21 の組み合わせが 1 つしかない」ことの帰結であって、2,143 回の間にどれか特定の 1 組が出る確率は 2,143 / 6,096,454 ≒ 0.035% です。あなたがいつも買っている番号も、まったく同じ 0.035% です。
本当に違いが出るのは「確率」ではなく「分け前」
「1・2・3・4・5・6」を避ける理由として唯一筋が通っているのは、確率ではなく払戻金の話です。ロトの 1 等〜3 等は当せん者で賞金を分け合う方式なので、同じ組み合わせを選ぶ人が多ければ、当たったときの 1 口あたりの金額は小さくなります。「1・2・3・4・5・6」のような目立つ組み合わせは、多くの人が「誰も買わないだろう」と思いながら買う、という逆説が起きやすいと言われています。
ただし LotoScope は当せん口数や払戻金を収録していないため、この点はデータで確かめられません。ここで示せるのは「当せん確率はどの組み合わせでも同じ」というところまでです。
自分で確かめる
番号チェックに好きな組み合わせを入れると、合計値が全組み合わせの中でどの位置にあるか、過去の全抽せんと何個一致したかが表示されます。「1・2・3・4・5・6」と、いつもの数字を並べて見比べてみてください。合計値の位置はまるで違っても、一致数の表は同じように理論期待のまわりに散らばっているはずです。